『翼ある闇』、特に『夏と冬の奏鳴曲』と深い繋がりがある作品。この2作を読まず、単品で読んでもあまり楽しめないだろう。
本作に用いられているリテラアートによる操りというトリックは、正直特筆すべきものではないように感じる。
もちろん驚きはするのだが、他の麻耶作品に見られる衝撃的なトリックと比較するとやはり劣る。
だが、終盤の烏有の周囲の人物が一気に死んでいき、烏有と"桐璃"だけが取り残される展開は、夏冬ほどではないが強烈なカタルシスを感じさせる。
今後どうなるのかは分からないが、メルカトルに、銘探偵になる存在だと告げられる烏有自身の物語とも言えるだろう。
何だかんだでやっぱり麻耶作品は好み。
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編集長は、『秋と冬の奏鳴曲』のシナリオ(交通事故云々)に当てはまる人を候補(藤岡とか)として何人か選び、その中から最も合致した人物(烏有)を選んだ、っていうことだったのか...
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年11月2日
- 読了日 : 2021年11月2日
- 本棚登録日 : 2021年11月2日
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