御手洗はストックホルム大の教授になっているが、非常に島田荘司らしい作品。
現実とは思えない内容の物語を、血なまぐさい現実に落とし込む。解説では最大のカタルシスは「ビートルズの代表曲がベースになっている」と判明するところだと言っていたが、自分はやはりスペースコロニーの中だというところだと思う。
スキップする大人たち、三メートル近いひまわり、南北方向にはなぜ直線道路がないのか、といった謎が一気に一つにつながる。まさしく"奇想"だ。
そしてここまでが第一部といった感じだろうか。
第二部は、切られた首にネジを組み込まれた死体。
仰角45度で接射され、二つの穴を開けた三発の弾丸に関する推理が面白く、想像もつかないネジの理由に関してもこれしかないと思わされる。
魅力的な謎に、グイグイ読ませる物語、そして謎を一つ残らず解明する大胆な解決。
この頃の島田荘司の作品の中では一つ抜きん出ている。これは大満足。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年2月6日
- 読了日 : 2022年2月6日
- 本棚登録日 : 2022年2月6日
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