コンパクトな作品だが、相変わらず構成は抜群、リーダビリティも高く、そしてしっかり驚かせてくれる。
最後に立場が逆転し、互いに相手の夢を想う。このあたりはやはり巧い。
前例があるのかは分からないが、カニバリズムの動機にも納得。そして本書の最大の肝となるあのトリックだが、一人称「僕」は(わかっててやっているような気もするが)やはりどうしても引っかかる。伏線に関しては性行為のシーン、編集者との旅行云々の話、「亜矢子みたいな女しか好きになれない」という台詞など十分すぎるほどある。ややわかりやすくはあるものの、「浦賀」という名前のミスリードには脱帽。
本作の前に書かれた浦賀作品からすると少しシンプルでがあるが、著者の良さがよく出ている。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2022年1月19日
- 読了日 : 2022年1月19日
- 本棚登録日 : 2022年1月19日
みんなの感想をみる