眠りの牢獄 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2013年2月15日発売)
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本棚登録 : 1015
感想 : 95
4

コンパクトな作品だが、相変わらず構成は抜群、リーダビリティも高く、そしてしっかり驚かせてくれる。
最後に立場が逆転し、互いに相手の夢を想う。このあたりはやはり巧い。
前例があるのかは分からないが、カニバリズムの動機にも納得。そして本書の最大の肝となるあのトリックだが、一人称「僕」は(わかっててやっているような気もするが)やはりどうしても引っかかる。伏線に関しては性行為のシーン、編集者との旅行云々の話、「亜矢子みたいな女しか好きになれない」という台詞など十分すぎるほどある。ややわかりやすくはあるものの、「浦賀」という名前のミスリードには脱帽。

本作の前に書かれた浦賀作品からすると少しシンプルでがあるが、著者の良さがよく出ている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月19日
読了日 : 2022年1月19日
本棚登録日 : 2022年1月19日

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