解説では、書き始めにおいて物語の帰着点が見えていたから連載が断続したものだったのだろうと語る。
しかし、読んだ印象はそうではない。確かに帰着点が見えていたのかもしれないが、継断を繰り返すうちにそれは見えなくなり、スバル廃刊と同時に一度途切れたのではないかと思う。そう思わせるほどには、納得のいかない軽率さのようなものを感じさせる最後3章であった。
もしこの不満こそが森鴎外の狙いであればあっぱれだ。
鴎外作をまともに読むのは初めてだった。
解説によると今作は他と一線を画すようであり、たしかに書き手の人称の移り変わりが錯綜としており面白いものだった。他にも色々読んでみたい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年1月28日
- 読了日 : 2023年1月28日
- 本棚登録日 : 2023年1月28日
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