女が死ぬ (中公文庫, ま51-2)

著者 :
  • 中央公論新社 (2021年5月21日発売)
3.49
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本棚登録 : 2002
感想 : 120

英米文学の翻訳家でもある松田青子さんの、奇想×フェミニズムショートショート集。
いちばん好きなのは帯裏にも引用されている『あなたの好きな少女が嫌い』かな、読みながら自分が少女だった頃を思いだしてムカムカしてきた。そういえば、華奢で守ってあげたくなるような体型の少女にとてもなりたかった。そうなれれば愛されるのに、とか思ってたな。子供のころスイミングで鍛えた割と厚い胸板を恥ずかしく思っていたっけ。老け顔なので、中年のコスプレにしかみえないセーラー服姿に絶望して恋愛を諦めたり、若かったとはいえあほらしい。でも、いじらしい。少女だった自分にそう思わせた「何か」を、ほぼ憎んでいる。あほだったので抗えなかったのだ。
少年にも違う「何か」があったのだろうけれど。お互い、吹き飛ばせたらいいよね、そんなもの。
松田青子さんの「怒り」と、リンクできたら、それはそれは得難い読書体験になると思う。
リンクできなくても、いちいち発想が面白いので、ショートショート好きには一読の価値あるかと。
❇リンク、というより、ただ単に触発されただけ、といったほうがいいかもしれません。
訳わからないこと書いていたらすみません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説
感想投稿日 : 2023年1月20日
読了日 : 2023年1月20日
本棚登録日 : 2021年5月20日

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コメント 5件

naonaonao16gさんのコメント
2023/01/22

お久しぶりです~

この作品読みたいと思いつつ、手が出せなかったんですよねー
わたしはたぶん、完全にはこの作品に共感はできないだろう、って思いが強くて…
よくジェンダー問題に吠えているので、フェミニストかと思って自分の考え方を掘り下げていくと、実はそうでもなかったり。
それを言い当てられそうで怖いのかも…

5552さんのコメント
2023/01/23

naonaonao16gさん、こんにちは。

お久しぶりです!

私も、フェミニストか?と問われたら、わかんないです。
松田さんの本も三冊しか読んでませんが、そーだそーだ!と、深く頷きたい部分と、(書いてらっしゃることが)ちょっとキツイ気がする、と思う部分もあります。
そう思うのは甘やかされた生活をしていて、苦労を知らないから、かもしれませんが。
完全に共感はしてませんよ〜

言い当てられそうで怖い、というのはすごくよく分かります。
でも、本は物理的に襲ってきたりしないので、機会がありましたら、是非。

naonaonao16gさんのコメント
2023/01/23

5552さん

こんばんは~
いやー、試験を前に、現実逃避でブクログに遊びにきました笑

松田さんの作品、3冊も読んでいらっしゃるんですね~
さすがです!!

なるほど、全部に共感していらっしゃるわけではないんですね!
確かに物理的には襲ってこない…笑

こういう作品は、生きづらさを抱えていると共感できる部分もある一方で、そんな中でうまくやってる部分を「ずるいぞ!」と言われてしまいそうで、いつも躊躇います…

5552さんのコメント
2023/01/23

naonaonao16gさん

どうぞごゆるりと息抜きをされてくださいね。

息抜きの話題じゃないかもですが…

「ずるいぞ!」ですかー。
昔の私ならそう思ってたかもです。
でも、最近はうまくやっているように見える方たちも、それぞれ固有の生きづらさを抱えているのが(ようやく!)分かってきたような気がします。
他者の生きづらさも自分の生きづらさも蔑ろにしないようにしたいです。

naonaonao16gさんのコメント
2023/01/24

昨日は息抜きをしすぎて、勉強を始めた瞬間に眠くなりました笑

そうなんですよね、うまくやって、外に出さないようにバランス取ってるんですよね
そのためには小さな嘘を重ねたりするわけですが、コミュニケーションの中で、なかなかそれを嘘とは見抜けない(本人もそう望んでいるし)…
それでどんどん自分自身を追い詰めて苦しくなって、最終的にそこで息をしにくくなってしまうんですよね…

みんなそんな感じだと分かりつつ、相手が上手に隠している以上わかりにくいし、隠し方によってはこちらが理解できなかったり受け入れられなかったり…

相手を理解するのって難しいですよね…

わたしも自分の生きづらさを蔑ろにしないようにしないとなと思いました
最近本をあまり読んでいないからか、蔑ろにしがちな日々です

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