賢者のデジタル

著者 :
  • マガジンハウス (2007年8月23日発売)
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『こんな時こそ落ち着いて読書・・・』

このたびの震災、幸いこちらはこれまでのところ無事であります。

電力が不足し、さかんに節電が言われています。こんなときはやっぱり、電気を使わない読書が一番ですね。

たまたまマガジンハウス刊『賢者のデジタル』(山根一眞著)という本を読んでました。

1997年から10年にわたり著者が新聞に連載したパソコンやネットについてのコラム集で、この間のデジタルをめぐる動向がリアルタイムで記録されています。
パソコンやその付属機器の性能がわずか数年で飛躍的にアップ、逆に価格は大幅ダウンしていく様子を読んでいくと思わず懐古感にひたってしまいそうです。

本書の後半に「大震災でのデジタル ○と×」という章が登場します。
著者は1995年の阪神大震災をはじめ、さまざまな災害現場へ取材にとびこんでいきました。
それはやがて関東を直撃するであろう巨大地震に備えてのものだったようです。

著者によれば阪神大震災当時、携帯電話はわずか4百万台程度しか普及していなかったそうです。
その後携帯やインターネットは生活に不可欠なものとなり、「携帯電話に緊急避難命令の機能を」という著者の提言も現実のものとなりました。

こうしたデジタル化はネット犯罪を助長したり、プライバシーが脅かされるなどマイナス面もたしかに持ち合わせています。しかし今回のような災害時には情報収集や安否の確認などに大きく役立っているのも事実です。

デジタル機器は確実に進化を遂げ、それを受け入れる社会のインフラも整ってきています。今回の災害もきっと乗り越えられるだろうと信じつつ、今はとりあえず読書で心を落ち着けている次第です…。

(本のある時間)
http://www.timewithbooks.com/volunteer_blog/blog/member/004/000001713.html

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2011
感想投稿日 : 2011年3月14日
読了日 : 2011年3月14日
本棚登録日 : 2011年3月14日

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