宮本武蔵(二) (吉川英治歴史時代文庫)

著者 :
  • 講談社 (1989年11月1日発売)
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感想 : 51
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2巻では、武蔵の挫折と心身の成長、沢山の出会いと別れが描かれる。
城太郎という弟子との出会い、吉岡門下との戦い、何より石舟斎に出会わずして挫折する場面は印象的。また、青年らしく、お通に心惹かれる自分を戒める姿に人間らしさを感じる。


功名心に燃える武蔵が、剣宗石舟斎の門の前で詩を読んだ時、
「届かない!自分などには届かない人物だ」と感じる場面がある。
それは武蔵にとって挫折であり転換点でもある。剣の技ではなく、剣の真理を求める厳しい修行の始まりだったのだと思う。

武蔵は自身の未熟さを克服するため、「今から小理屈は早い、剣は理屈じゃない、人生も論議じゃない、やることだ、実践だ」と山沢に駆けていく。
机上ではなく、実践に答えがあるというのは、時代は変わっても通ずる考えであり、私も肝に銘じたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年4月16日
読了日 : 2021年5月25日
本棚登録日 : 2021年4月14日

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