宮本武蔵(六) (吉川英治歴史時代文庫)

著者 :
  • 講談社 (1989年12月26日発売)
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本棚登録 : 709
感想 : 41
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6巻は2人目の弟子との出会い、共に荒野を開拓していく。
大自然を師匠とし、開墾の中で得られる苦労や失敗を修行と捉える生活はスケールが大きい。
新たな環境で試行錯誤を重ね、得た知恵や深めた思想は生き生きしている。武蔵は失敗するほど、柔らかく謙虚になっていくように感じる。その一方で人に何を言われても自分が信じることを貫く強さをもつようになる。
何事からも素直に学ぶ姿勢を持ちたいと思う。

「水には水の性格がある。土には土の本則がある。その物質と性格に、素直に従いて、おれは水の従僕、土の保護者であればいいのだ」

「富士山をごらん。あれになろう、これに成ろうと焦心るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作り上げろ。世間へ媚びずに、世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値打ちは世の人が決めてくれる」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年5月20日
読了日 : 2021年4月30日
本棚登録日 : 2021年4月30日

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