とにかく『小鍛冶』の話が好きすぎる。
日本刀好きにはたまらない!あの小狐丸の逸話をこう取り入れたのか、と心の中では拍手喝采だった。
『百年の庭』も、登場人物の語り口にグッと胸にくるものがあった。庭(自然)の方が立場が上、人間は僕。その考えを徹底して生きてきた老婆の語りは、音声を伴って聞こえてくるようだった。
すごく細かいところにはなるが、最後の一編、『雨の夜の刺客』の301ページに「ときどき洩らす広島弁は」とあるが、平成以降の広島出身者からすると「そんなに広島のヤクザって名を轟かせていたのか……?」と不思議な感覚がある。まぁ、レンタルビデオ店に行っても広島が舞台の任侠作品はたくさんあるので、きっと昭和の広島ヤクザはすごかったんだろう、きっと。
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- 感想投稿日 : 2020年5月12日
- 読了日 : 2020年5月12日
- 本棚登録日 : 2020年5月12日
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