3年後に小惑星が地球に追突して全ての人が死ぬという前提で物事を考えた時、人がいま正しいとしている倫理も節度も判断も虚しく意味のないものになり、まったく違う判断になることを、仙台北部の丘を造成して作られたヒルズタウンという団地の様々な住民のそれぞれのケースで伝える物語。なかなか鋭くて正直で面白いのだけれど、貫かれるこの前提自体の重苦しさが少ししんどかった。それなのに、どの物語もほんのりと人の善が漂っていた。そして読み進めるほどに人々が繋がっていく、伊坂さんらしい温かい作品でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2019年12月27日
- 読了日 : 2019年12月28日
- 本棚登録日 : 2019年12月22日
みんなの感想をみる