明治を描く一大叙事詩にして不朽の名作。ドラマ化も原作に忠実になされています。日露戦争をめぐる秋山兄弟と正岡子規の青春群像としての側面もあります。「竜馬がゆく」とともに若い頃に出会えて本当によかったと思える作品です。
下らない身の上話になりますが、家系図によると、私の先祖が装甲巡洋艦の日進に乗艦していたそうです。本作の訓練の様子やロシア艦隊との激戦の最中にいたと思うと想像が膨らみます。とにかく司馬遼太郎が調べに調べ尽くして描いているので臨場感がまるで違います。
戦艦の形から何型のロシア艦かを見分けたり、波の荒い日本海で弾薬を節約しながら訓練したりする場面にこんなことしてたんだと感慨もしきりです。
同じ艦に若き日の山本五十六も乗っており、どっかで会ってるのかなとか東郷平八郎や秋山真之を遠目から見てたのかなとか、楽しみながら読めました。
自分のルーツをたどると何かしら歴史上の出来事にブッキングしておりそこが歴史ずきになった一因でもあります。
確かにその時代を生きた人々の足音が聞こえてくるようでした。
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- 感想投稿日 : 2023年2月7日
- 読了日 : 2021年2月1日
- 本棚登録日 : 2021年2月1日
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