イン・ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫 む 1-9)

著者 :
  • 幻冬舎 (1998年7月1日発売)
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本棚登録 : 3755
感想 : 279

新聞連載時に途切れ途切れながら読んだ印象はただ漠然と「怖い」でした。

改めて読んで「生々しい」という印象を抱きました。

淡々とした文なのに胃と肌に粘つくような感覚が離れません。ただ、後半にフランクが過去の告白を始める頃になると、不思議とその不快感は消えていきます。

酷く生々しくて、理不尽で、絶対的な世界観。


印象的だったのは殺人現場でケンジがフランクからナイフを突きつけられるシーン。
「羊たちの沈黙」でクラリスがレクター博士から質問の答えを求められるシーンと重なりました。
「NO」と答えたケンジと求められた問いに答えを口にしたクラリス。
二人の違いは性別によるものでしょうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年3月16日
読了日 : 2023年3月16日
本棚登録日 : 2023年3月15日

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コメント 2件

kotonecchiさんのコメント
2023/03/21

「イン・ザ・ミソスープ」って何新聞に連載だったのでしょう?
私は単行本を買った覚えがあります。嵌っていましたから龍さん。
不快な話でしたよ。そう、「羊たちの沈黙」がありましたしね、サカキバラが発想の源と聞きましたが。もっとスタイリッシュに書けないかなぁって。犯罪がスタイリッシュになっては困るんですが…。でも、私は、この小説、ラスト一行で、傑作ですって評価を変えました。フランクがケンジに白鳥の羽を渡すんですよね、たしか。本が手元にないので、確認できませんが名文だと思い唸りました。
書く側としては、ラスト一行にやられています。龍さんの小説のラスト、第三位です。一位は愛幻。二位がコインロッカー。三位がミソスープ。
本当に、ラストの素晴らしさを発見させてくれた人です。
世界的には、「華麗なるギャツビー」のラスト二行が最高と、尊敬するj・アーヴィングが語っており、暗唱していましたが、今はイメージしか覚えていませんね。でも、素晴らしいです。とりとめもない話でごめんなさい。また、遊びに来ますし、来て下さい。ありがとう。

kotonecchiさんのコメント
2023/04/15

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