最近気づいたシーラッハの新作。
タイトルから別の話を想像していたのですが、主題は「臨死介助の是非」でした。「自死選択の是非」ではなく。
法学、神学、医学の観点からそれぞれ意見を求め、戯曲なので、観客に最終判断を委ねる…「テロ」の時と同じ手法。
個人的には、なしであってほしいです。
倫理観は、時代で変わっていくものかもしれないですが、ナチの事例をシーラッハが持ち出していることが、警鐘だと思いたいからです。
この本を読む寸前にジャン=リュック・ゴダールがいわゆる安楽死を選択していた、という記事を読んだこと、また、やはりこの本を読む寸前に読んだアチェベの「崩れゆく絆」の主人公の最期のシーン、など、時折脳裏をかすめなました。
シーラッハ、好きです。
ドラマチックなタイプの書き方ではないのですが、作品のひとつひとつに心が揺さぶられます。
短編と戯曲が特に良いと思います。
酒寄さんの翻訳もすばらしいです。これからもよろしくお願いします。
マイナス一つ星は、やはり書き手として、結論はどうか、が見えないので。でも、それはそれで良いんですけどね(笑)読み手もアマノジャク(笑)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年2月28日
- 読了日 : 2024年2月28日
- 本棚登録日 : 2024年2月27日
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