レッドゾーン(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2011年6月15日発売)
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感想
下巻になってもなかなか鷲津の真打登場とはならず、CICとの睨み合いで我慢の時が続く。そんな鷲津も虚無感やイマイチ燃えないなど心情の変化があるところが面白い。そんな彼が本気を出した時こそが勝負所!見逃せない。

最後の難局も、鷲津が描いた絵図にすっかりハマり、今回も大儲けした。アランの死の真相も分かり、物語としてはひと段落か。こんな取引を毎回してたら身体がもたなそう。

あらすじ
賀のTOBで揺れるアカマ自動車は、社長の古屋と副社長の赤間太一郎の争いが激化していた。そんな中、賀は株式の31%の取得を目指して着々と株を買い進めていた。

鷲津はスイスに飛び、ファンドの資金集めの工作と、北京や上海を訪れて、賀やCICの動きを探っていた。賀に資金不足の噂があることや、CICを裏切って糸の切れたタコのようになっていると推測する。鷲津はホワイトナイトとして登場する機会を伺っていた。

そんな中、アカマの防衛産業への乗り出しがスクープされ、古屋は賀から辞任を要求される。賀と太一郎が組んだ気配があった。

芝野は、マジテックの再生をディーゼルエンジンのコア部品にできないか模索し、アカマにアドバイスする代わりにマジテックの社員がアカマの製造工場を見学させてもらう。マジテックの職人はロボットの高度化のためには町工場の技術が活きるのではないかと閃く。

鷲津はアカマへ乗り込み、今後の方策を伝える。関係者を早急に処分し、副社長の太一郎にも引導を渡す。古屋は社長として残り、毅然と対応する。もしもの時の防衛策に備えて子会社をMBOの上、非上場化して主要技術者を移転させる計画まで立てた。賀はFBIからの指名手配で間も無く排除されたが、一息ついた折にアメリカのKKLの鷲津の師匠のアルがアカマの買収に乗り出すと発表する。

彼はアメリカの自動車産業を憂い、CICがアメリカ政府に巨額の資金援助をしたことで担ぎ上げられた。鷲津はアメリカに向かい、アルと直接対決に打って出る。

鷲津はアルとの会談で、絶妙な落とし所を提案し、受け入れられる。その後、このディールの全ての絵図を描いた香港の将英龍と会い、アランの死の真相とディールについてまとめる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月23日
読了日 : 2024年2月23日
本棚登録日 : 2024年2月22日

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