レッドゾーン(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1651
感想 : 145
  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769938

作品紹介・あらすじ

賀一華を先鋒に、次々と仕掛けられる買収策。繰り出される揺さぶりに翻弄され、追いつめられたアカマ自動車は、最後の手段として、ハゲタカ・鷲津が「白馬の騎士」になることを求めた。圧倒的な資金力を誇る中国に乗るか、旧態依然とした日本を守るのか、鷲津が繰り出した一手とは?大人気シリーズ第3作。

感想・レビュー・書評

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  • ハゲタカ、Ⅱに続き一気に読みました。
    日本の基幹産業のひとつ自動車会社を舞台に日本と中国の買収戦、米国はサブプライムローン問題で社会経済に打撃を受けている最中。ノンフィクションと思い違いするほどの臨場感で著者の取材力と構成力は本当に素晴らしいと思います。

    どのシリーズもスピード感溢れる展開と窮地に追い込まれて繰出される攻防戦にページをめくる手が止まらないのですが、レッドゾーンは中国の計り知れない深謀と鷲津の心理戦、自動車会社の創業一族を守るが故の混乱と苦悩が丁寧に書かれており読了後の満足感が高かったです。今読んでも全く違和感を感じず、20年以上前から中国の世界覇権を予感させる小説と思います。シリーズⅣを読むのが待ち遠しいです。

  • 【感想】
    上巻同様、最高に面白かった!!
    中国の交渉術の鮮やかさや余裕、したたかさは、読んでいて本当に畏敬の念を覚える。(中国人の皆が皆そうではないだろうが。)

    作中の一部分を抜粋。
    「だが、日本は隣国でありながら、常にこの国を蔑ろにし続けている。
    おまけに、アメリカ一辺倒をやめるべきだと薄々気づきながら、一向に変わる様子はない。
    そのツケをいつか払わされるだろう。」

    上巻の感想欄にも書いた、中国を卑下している日本人のこの目線は改めないといけない。
    アメリカ一辺倒どころか、今の日本人は本当に鎖国状態になっているからなぁ・・・

    話は少し逸れたが、、、
    1作品として本当に面白かった!!
    中国人の登場人物が見せる不気味さ、それに振り回されつつラストシーンでちゃっかりとオチをつけたアカマの室長の老獪さ、アランの因縁終着など、「レッドソーン」は本当に最高の作品だ。


    【あらすじ】
    この国に、守る価値が本当にあるのか?
    賀一華(ホーイーファ)を先鋒に、次々と仕掛けられる買収策。
    繰り出される揺さぶりに翻弄され、追いつめられたアカマ自動車は、最後の手段として、ハゲタカ・鷲津が「白馬の騎士(ホワイトナイト)」になることを求めた。
    圧倒的な資金力を誇る中国に乗るか、旧態依然とした日本を守るのか、鷲津が繰り出した一手とは?
    大人気シリーズ第3作。


    【引用】
    p9
    「副社長、外部の人間に坊ちゃんと呼ばれて、そんな顔をするのをやめるまで、いくらでもそう呼ばせてもらいますよ。あなたは交渉のイロハであるポーカーフェイスが、まったく身についていない。」


    p45
    「エンジンの仕組みは、単純に言うと、シリンダーという筒の中で燃料と空気を混ぜた混合気を燃焼させ、その際に出る熱エネルギーでシリンダー内のピストンが動き、クルマが駆動するというものです。」
    シリンダー内でガソリンを含んだ混合気が、圧縮・着火・燃焼した後に運動エネルギーとなる。


    p122
    中国は日欧米と上手に距離を取りながら、新興のロシアやインド、さらにはアフリカなどとの関係も強化している。
    彼らは国として生き残るためのありとあらゆる術を駆使しているように、鷲津には思える。

    だが、日本は隣国でありながら、常にこの国を蔑ろにし続けている。
    おまけに、アメリカ一辺倒をやめるべきだと薄々気づきながら、一向に変わる様子はない。
    そのツケをいつか払わされるだろう。


    p284
    「CIC相手にTOBをまともにやり合えば、勝ち目はありません。」
    「CICの怖さは、経済的合理性を無視した投資を行う点にあります。通常のファンドであれば、買収に際して世界中から資金を調達するのが一般的です。要するに、欲しいからといって湯水のように資金を使えるわけではありません。」
    「ところが、CICにはそんなルールがありません。確実に手に入るなら、CICは金額を惜しみません。」
    「極論を言えばCICの使命は、中国が保有するドルを無駄遣いすることです。なぜなら、下手に大きな利益を上げれば、外貨準備高を増やしてしまうからです。そんなことが続けば、世界中から人民元切り上げの圧力が高まります。それを避けるためには、利益を出してはいけないんです。」

    「どうせ捨てる金なら有効に使え。そういう恐ろしいミッションを、CICは課せられているんです。」


    p386
    「サム。俺が何を訊きたいか、分かってるだろ。」
    「正直言って、私には中国人が理解できません。彼らは日本人よりむしろ欧米人に似ている気もします。しかし、似て非なる部分が多すぎます。」
    「つまり、知れば知るほど、連中は不可解極まるという意味だな。」


    p410
    「人生は後悔の連続だ。それで潰れている暇はないんだ。いいか、英龍、家訓に一つ足しておけ。憎しみからは何も生まれない、とな。アランの復讐なんてしない。アランは女の誘惑に負けて命を落とした。それだけだ。」

  • (上下巻合わせてのレビューです。)

    真山さん最新の文庫本。
    実は文庫化が待ちきれなくて、
    映画まで見に行った作品(しかも一人で)。
    予想通りというか期待通り、文句なしの★5つです。

    日本の架空の自動車メーカー(アカマ自動車)をめぐる
    主人公ゴールデンイーグルと中国ファンドの大買収合戦劇。
    中国という国家の大きさや複雑さが物語に表現されていて、
    今まで以上のスケールの物語になっています。

    ハゲタカシリーズもこれで3作目。
    もう続編はないのかなぁ。。
    なかなかこれまで以上の作品を出すのは難しいですが、
    真山さんには頑張ってもらいたいなぁ。。
    (なんて、思っていたら、続編が次々に出ているようです。楽しみ!)

  • 11月-2。3.0点。
    アカマ自動車争奪戦、下巻。スピード感、切れ味は相変わらず。ページを追う毎に速度が速くなる感じ。

  • なんか・・・尻すぼみな感じ
    結末に近づくと『どどどどー』といろんな人と物と利害関係が一気に押し寄せてきて
    意味わかんなーいって感じになっちゃいました
    どこに行ってしまった・・・《マジテック》に芝野建夫
    期待してたのに・・・・・
    存在消滅・・・・・
    中国人の怪し~人たちが入り乱れてきて「誰だっけこの人」
    疲れた仕事帰りの電車の中・・・眠気が押し寄せ意識朦朧の中で読んでいたこの状況
    憶えずらい中国人登場人物たち
    休みの日にゆったり読めばよかった
    http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-205.htmlより

  • 自己実現欲求を満たした投資家は他己実現に移る様子がわかりやすく描写されていました。金がいくらあっても満たされないんだろうと。

    中国人の成長の仕方は見習うべきことが多々あると思いました。具体的には、躊躇せず行動する点、成功している型を真似る点。

  • 今回も絶体絶命の所から逆転して、最後には上手く全てを纏める鷲津の凄さが痛快。

  • 面白い面白い。
    反撃戦がじわじわと始まり、窮地に陥ってラストは....。
    というサヨナラホームラン、水戸黄門ストーリーなお話。
    日本人ですから、水戸黄門ライクなものは大歓迎ですね。

    そんな都合のいい展開あるかよー....と思いつつも
    久々に我を忘れて1日で読破。食い入りました。
    やっぱ物語はこうでなくちゃ。

    芝野さんの話、いらなくね?

  • 柴野さんの存在が薄いのだけが残念でした。
    相変わらず鷲津はかっこいい!リンとの関係も好き。ドラマ・映画でも二人の関係を盛り込んでも良かったのにな~、大森南朋なら演じきれたはず。
    しかし、中国。ハニトラも含めて怖い国だ。
    もっと金融・経済に知識が深ければ原作をもっと楽しめるんだろうな。
    ハゲタカシリーズを読むと、自分の知識不足を痛感させられる。

  • 上巻につづき、下巻も一気読み

    ハニートラップすごい
    『スパイラル』とのリンクが面白かった
    ヨハンがいいキャラでした

    賀一華・王烈陣営が最後尻すぼみだったのは、少し物足りなかったです
    『グリード』でもいつの間にか鷲津陣営が形勢逆転してて、あれ?ってなったような・・
    うーん、わたしが大事な形勢逆転のタイミングを見逃しているのかなぁ・・

    ともあれ、面白かった。満足です

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著者プロフィール

1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者を経てフリーライターに。2004年刊行のデビュー作『ハゲタカ』がベストセラーに。『マグマ』『ハゲタカ2』『レッドゾーン』『プライド』『黙示』『売国』『当確師』『海は見えるか』など、現代社会の様相に鋭く切り込む小説を発表している。

「2021年 『プレス 素晴らしきニッポンの肖像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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