ミッドナイト・バス

著者 :
  • 文藝春秋 (2014年1月24日発売)
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感想
筆者の作品にいつも感じるのは、細かい心情描写が絶妙で、自分であらすじをまとめ直すとなんだかいつも陳腐になってしまうことだ。

タイトルの通り、深夜バスの運転手が主人公で、穏やかな人である。ミッドナイトが示す通り、話としては明るいものではないが、静寂な深夜に走るバス、包み込むような優しさを感じる物語だった。

各章の最後に深夜バスに乗った人それぞれのショートエピソードをおり混ぜているところも印象深い。

最後でようやくバスは朝に向かって走り出すシーンがあり、明けない夜はないのだ。ということにホッとした。

あらすじ
深夜バスの運転手の利一は、十数年前に離婚し、二人の子供、怜司と彩菜も成人し、独立していた。自分の今後を考えようと東京で出会った一回り若い彼女である志穂を新潟の自宅に招いたところ、東京で働いていたはずの長男の怜司が仕事をやめて家に上がり込んでいたところに出くわす。

それから怜司との生活が始まり、彩菜の子供向けアイドルの手伝い、別れた妻の美雪との出会い、義父の世話、志穂とのすれ違いなど、様々な出来事が去来する。まるで深夜バスのように。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年9月21日
読了日 : 2023年9月21日
本棚登録日 : 2023年9月21日

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