「羅生門」「こころ」「舞姫」。これらの作品を、授業でどう扱ったらよいか悩ましい。生徒たちに何を教えたらよいのか、模索し続けている。一応「羅生門」では小説の型を、「こころ」では利己心と罪悪感を、「舞姫」では社会と自己の葛藤を、教えることにはしているが。
著者は、これらの作品がほとんどの教科書に掲載されていることを批判的にとらえている。掲載の意図はあるにせよ、それが生徒に伝わっていない、国語嫌いを生産するばかりで教科書にはふさわしくないものだ、と。
これかの作品がふさわしいかどうか、私の中ではまだ答えは出ていない。しかしこれだけ多くの教科書に採録されるのには意味があり、自分がそれを明確に理解できていないだけではないか、とも思ってしまう(教科書に載る作品はすばらしい、という思想に近い危険な発想ではあるが)。著者は1人の教科書編集者にしか話を聞いていないが、もっと多くの教科書編集者の話を聞いてみたいものである。また、新学習指導要領に則った新しい教科書はどのような編集になるのか、興味深い。
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- 感想投稿日 : 2019年10月31日
- 読了日 : 2019年10月31日
- 本棚登録日 : 2019年10月31日
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