皮膚は考える (岩波科学ライブラリー 112)

著者 :
  • 岩波書店 (2005年11月3日発売)
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感想 : 22
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鍼灸の作用機序は現代科学で明らかになっていない。

これを、非科学的だからと取るか、または一種の哲学や思想であり医学ではないと取るか、それともあくまで現代科学では明らかになっていないが経験科学によって支えられていると考えるか。様々な捉え方があり、特にわが国では前者二つの受け取り方が大勢を占め、その結果鍼灸の生涯受診率が6%という結果になっているわけである。

しかしながら意外や欧州、例えばドイツでは日本よりはるかに鍼灸治療を医療のチョイスにいれている人が日本の倍ほどもいたりする。

この本は皮膚についての本であるが、最後一章を割いて鍼灸治療について書かれている。

なぜ鍼灸治療では皮膚に鍼やお灸をすることで内臓疾患にアプローチできると考えているのか。ただの迷妄か、それとも皮膚刺激にそのような効果があるのか?

現代科学と伝統医療の間に横たわる深い溝に頭を悩ませたことがある人には一読を勧めたい、そんな本である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2013年1月26日
読了日 : 2013年1月26日
本棚登録日 : 2013年1月26日

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