重松清の作品は、「流星ワゴン」以来、2作目。
とてととても面白かったし、多くの作品が高く評価されているのも知っている。
けれど、なぜか次の作品を手に取ることがなかった。それはたぶん、彼の平明で抑えの効いた文体が、なんとなく児童文学的に響くことと、その影響か、(完全に僕の穿ったモノの見方と歪んだ性格による偏見ですが、)物語自体が嘘っぽく感じたからだと思う。
その点、この「きよしこ」は、作者の自伝のように読めるので、嘘っぽさがなくなり、吃音の少年の辛かった思い出が、非常にリアリティをもって迫ってくる。
おかげで、ほとんど全てのエピソードで目に涙が滲んでしまった。
思えば、出だしの、手紙の部分でもう、術中にはまっていたんだな。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年11月28日
- 読了日 : 2023年11月28日
- 本棚登録日 : 2023年11月28日
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