司馬遼太郎が萩を訪れた際に、運転手から「杉道助(大阪商工会議所会頭を長年勤めた方)」の故郷であると話かけられる話から始まる。
(杉道助の曽祖父にあたるのが、吉田松蔭の父。)
一巻目は吉田松蔭の幼少期から、24歳頃の将及私言(藩主への意見書)を書いた黒船来航時の話が描かれている。後半には佐久間象山が登場する。
昔の人が勉強熱心だったのは、公のために尽くす侍の気持ちが大きかったのだと感じた。
吉田松蔭の教育係であった玉木文之進(松蔭の叔父)のエピソードは、厳しすぎて現代であれば体罰で問題になってしまいそう。
私利私欲を省き、国を良くしようと政治に携わっていた偉人がいたからこそ、激動の時代を切り抜けられたのだろう。
(一部抜粋と要約)
松蔭が読書中、頬がかゆくなったので顔を掻いただけで折檻された。玉木文之進いわく、「痒みは私情、これをゆるせば長じて人の世に出たとき私利私欲をはかる人間になるから、殴るのだ。侍は作るもの、生まれるのではない。」という考えで折檻したらしい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学(日本_現代)
- 感想投稿日 : 2021年7月11日
- 読了日 : 2021年7月11日
- 本棚登録日 : 2021年6月28日
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