最近伊吹さんの作品をよく手に取ります。
こちらは高速バスの運転手とその家族の物語。
新潟を舞台にしているからか
雪のような静かな印象の作品でした。
出てくる人たちがみんな不器用で
なかなか話が進まないところはあるんですが
ひとりひとりのことを丁寧に書かれてて
共感しやすく、応援したくなります。
特にこれから築き上げる未来のある志穂と
人生の終わりを意識し始めたリイチのすれ違いが
なんとも辛かったです。
常連客に決して恋人とは思われないのも悲しい。
年齢的に志穂の目線になりがちなので
志穂のタイミングの悪さも可哀想でした。。
また、体の不調を訴える美雪の様子も
40代、50代の不調や憂いをとても感じ
あぁこれからこういうことが待ってるのか、
こんな風にすれ違ってしまうのだろうかと
思いながら読みました。
あと10年経ってから読むと
また違った気持ちになりそう。
美雪が言っていた
昔見た映画や小説で
あの時は若い主人公に共感したけど
今は脇の登場人物に感情移入するというのに
すごく共感しました
ホントみんななかなか
本当のことを話してくれなくて笑
『あれはどうなったんだ??』が
解決しなくてヤキモキすることもありました
でも生きるってこういうことかなとも思います。
やっと終盤の終盤にいい流れが来て
最後はスッキリでき、いい読了感でした
『もう一度 人生を前に進ませよう』
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月12日
- 読了日 : 2024年1月12日
- 本棚登録日 : 2024年1月12日
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コメント 3件
yhyby940さんのコメント
2024/02/25
どんぐりさんのコメント
2024/02/25
yhyby940さんのコメント
2024/02/29