台湾のデジタル大臣が、自身の生い立ちやコロナウイルスに際した台湾の水際対策の事例を踏まえて、デジタルと民主主義の未来について話してくれる本。
タン氏は、完璧ではないこの世界で、今ある欠陥や問題点を修正していくことで、より良い明日を描いていこう。その為に、デジタルの力を駆使して民主主義を発展させていこうという、シンプルで至極まっとうな考え方の持ち主でした。
専制主義の国ではトップダウンでスムーズに物事を決めることで、日々加速化するグローバル化に適応しているのに対して、間接民主主義の国では議論をするのに時間が掛かり、物事が進まないことが多々あるように思います。
日本でも、政治家は国民に対して十分な議論を尽くしているとは思えないし、国民も自分で判断しないくせに国に責任だけ押し付け、お互いの距離を広めているように感じます。
台湾では、この間接民主主義のデメリットである国と国民との距離感を限りなく埋めるために、国と国民が双方向で議論できる環境を、デジタルの力で構築しているようです。
例えば、政策に関するパブリックオピニオンをすくい上げるために、国民のアイデアを提案出来るプラットフォームを構築したり、政策立案のプロセスを透明化したり。
もし、日本という国を民主主義国家としてより良いものにしたいのであれば、政治のデジタル化は、避けては通れないように思いました。
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- 感想投稿日 : 2022年1月5日
- 読了日 : 2022年1月5日
- 本棚登録日 : 2022年1月5日
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