下巻は伏線回収の嵐!
辻村深月さんのこの綺麗な伏線回収がたまらない。
『派手な事件を起こして、死んでしまわなければ、声を届けてはもらえませんか。生きているだけでは、ニュースになりませんか。』
そのとおりだよなぁ、と思う。
さて。
本作は、「あらゆる物語のテーマは結局愛だよね」
この台詞がすべてなのではないか。
十代の赤羽環は死にたかった。
二十代の千代田公輝もまた、死にたかった。
この死にたかった2人は、互いが互いに"テキオー灯"の光を浴びせていた。
"テキオー灯"。本作にも登場する芦沢光こと、「凍りのくじら」の主人公である芦沢理帆子が描き出す光。
生きていくための居場所を与えるための光。
すべてを投げ出したいほど、ぞっとするくらい気持ちが追い詰められていた環の支えは、チヨダ・コーキだった。
そして真っ暗い海の只中に放り出され、溺れてただ呼吸を求める公輝の前に、ようやく差した灯台の光のような"コーキの天使ちゃん"からの手紙。
本当に、一途な愛。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年1月25日
- 読了日 : 2022年1月25日
- 本棚登録日 : 2022年1月23日
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