スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2010年1月15日発売)
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感想 : 1601
4

下巻は伏線回収の嵐!
辻村深月さんのこの綺麗な伏線回収がたまらない。⁡

『派手な事件を起こして、死んでしまわなければ、声を届けてはもらえませんか。生きているだけでは、ニュースになりませんか。』⁡
そのとおりだよなぁ、と思う。⁡

さて。⁡
本作は、「あらゆる物語のテーマは結局愛だよね」⁡
この台詞がすべてなのではないか。⁡

十代の赤羽環は死にたかった。⁡
二十代の千代田公輝もまた、死にたかった。⁡

この死にたかった2人は、互いが互いに"テキオー灯"の光を浴びせていた。⁡
"テキオー灯"。本作にも登場する芦沢光こと、「凍りのくじら」の主人公である芦沢理帆子が描き出す光。⁡
生きていくための居場所を与えるための光。⁡

すべてを投げ出したいほど、ぞっとするくらい気持ちが追い詰められていた環の支えは、チヨダ・コーキだった。⁡
そして真っ暗い海の只中に放り出され、溺れてただ呼吸を求める公輝の前に、ようやく差した灯台の光のような"コーキの天使ちゃん"からの手紙。⁡

本当に、一途な愛。⁡

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月25日
読了日 : 2022年1月25日
本棚登録日 : 2022年1月23日

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