145gの孤独 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2009年9月20日発売)
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感想 : 67
5

伊岡瞬著 145gの孤独

ぽろり涙 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
ミステリー⭐️⭐️

1.物語のはじまり
プロ野球投手。
先発を務める、150キロ本格派投手。
危険球で、相手打者に致命傷をあたえ、
その後、内角攻めができずに引退。
第二の人生で、何でも屋を始める。

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2.何でも屋の依頼人
①毎週水曜日。子供の遊び相手を依頼するシングルマザー。
②終活で蔵書の整理をしようと思い立つ大学教授の独り身女性。
③認知した子供と、故郷の旅行に同行を、、、と依頼する社長。

プロ野球を辞めざるをえなかった主人公。
何でも屋の仕事に対して、情熱も気力もなし。
ただ、依頼された仕事は、プロとしてやりとげる責任感がある。

そんな主人公の特技は、相手方の気持ち、考えを推察できること。

依頼人の一人ひとりの人生に、自然と向き合うことになる。

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3.孤独
主人公は、独身である。親しき人もほぼいない。
そう、人間関係は、限定的である。
そう、孤独とも表現できる。

そんな彼が、引退後、145gの硬球を握り、ピッチングの練習を始める。
何のために、、、?。

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孤独は悪ではない。
その環境が、自身にどのような作用、反作用を起こすのか?
その認識が、次の未来をつくる。

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伊岡瞬さんの作品。
ミステリーが多いなかで、どろどろせず、穏やかに読める作品が、この「145gの孤独」である。

ラストシーンは、ぽろりときた。



読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年3月6日
読了日 : 2022年3月6日
本棚登録日 : 2022年3月6日

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