コロナ自粛の中で手にとってみた。疫病/パンデミックを設定背景としている物語の元祖。
異邦人に続く1947年に発表されたカミュの第2作。アルジェリアの都市オランでペストが発生し、都市が封鎖されたという状況の話。実話ではなくあくまで小説。時代設定は発表当時の近過去なので、電気、自動車、新聞、ラジオは存在している。
複数の登場人物の視点による、閉鎖された都市の中で過ごす生活を描写している。原文のせいか翻訳せいか、かなり冗長。
とはいえ、今回のCOVID-19 ショックと多くの類似点があった。すなわち、日常が分断されること、家族との交流が遮断されること、物資が枯渇するなかで利益を膨らませる商人、医師による献身的な治療などなど。カミュの頭の中から絞り出された架空の物語だとは思えなくなってくる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年6月7日
- 読了日 : 2020年6月7日
- 本棚登録日 : 2020年6月7日
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