“It”と呼ばれた子 (完結編) (ヴィレッジブックス N ヘ 1-3)

  • ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ (2003年6月1日発売)
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感想 : 99
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なんかねー、もうねー、おとーちゃんが死ぬシーンが泣けてねー。<br>
電車の中でうるうるきちゃってやばかったです。<br>
子供にスポットが当たっていて、暴力が振るわれているから「虐待」だっていうことでくくられるけど、被害者は子供だけじゃなくてダンナもなんだよね。この手の人に関わるとどうなるかっつー典型がたくさん詰まっていて、泣ける。5人の子供のうち1人はキチガイになってるわ、おばーちゃんがキチガイめいてるわで、やっぱキチガイがキチガイを生んでしまうのだ。 <br><br>

日本の虐待事件では若いDQN夫婦が子供を殺してしまうことが多いから、「若い未成熟な大人が」という目で見られるけど、この手の問題を起こしてしまう人はいくつだろうと未成熟で、あとは子供が何年生存可能だったか、生き残れたかどうかっていう結果論だ。暴力が振るわれない、精神的に追い詰めるだけの場合もあるし、傍目には大事にしているように見えて実は依存してるってこともある。そういう場合は子供や配偶者が抱えて生きるだけで、問題は表面化しない。<br><br>

母親は既に他界しており、母親の真意はわからない。しかし、真意を知ることには意味はない。読んでいる限りでは、明らかに彼女は人格障害だからだ。<br><br>

キチガイには子供産んで欲しくない、キチガイの子供がキチガイになるサイクルをどこかで絶たなきゃいけないと思うけど、この手のキチガイは自分をよく見せることに長けてる。本気で自分はとてつもなく優秀だとか美人だとかよくできた父だとか母だとかいうステキな妄想抱いてるから、騙された人が籍入れちゃうし、子供もできちゃうんだよねー。騙されてることに後で気がついても既にどーにもならん事態になってて、自分を守るのが精一杯で。子供がいるから別れられない、子供を憎みたくないのに憎んでしまったり、そんな自分に自己嫌悪したり、どうどう巡りの悪循環に嘆いてみても何もかわらなくて。<br><br>

プライドがとてつもなく高くて誰の言うことも聞かないし、プライド守るための言い訳や作り話ばっかりするから、みんなうまく丸め込まれるか、わかっていても怖くてどーにもできん、究極の自己中だからいさめようにも会話が成り立たない、泣きたいのはこっちだっつーのに本人はめいっぱい自分が被害者のつもりでいるから火に油注ぐっつー。<br><br>

若い頃はまだ誰か「どうにかなるかも」と思ってかまってくれるけど、晩年はみんな呆れ果てて近寄らなくなる、子供も逃げ出すように巣立っていく。そんなところも典型的。<br><br>

ほんとにね、あーゆーのは「病気」なんだって、広く知って欲しいんだよね。
<br>まともな人間のはずだと思って世の中に放置してるから問題が起きる。
<br>どうしてキチガイになっちゃったのかっていう背景を考えると同情もするけど、人間の製造工程でたくさんの間違いが起きて、不良品にしてしまったのだからどーにもならん。配偶者と子供が悲惨な目に遭うから、そうなる前に適切な治療を受けさせられるような世の中になって欲しい。まともな人間扱いしてるから、家庭内暴力やら育児放棄で子供殺しちゃったりやらすると、まともな人間として警察のご厄介になるCASEも出てくるけど、これが「人格障害」の診断書出てたらちょっと違うのかもしれないし。<br>
本人が成人するくらいにならないと問題が表面化してこないっつーのも目くらましになってんだよなぁ…。

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感想投稿日 : 2005年1月16日
本棚登録日 : 2005年1月16日

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