下巻で取り上げているのは、日本軍が接収したダイヤモンドの話、
帝銀事件、松川事件、レッドパージ、そして朝鮮戦争など。
これは、あくまでもGHQ占領史を小説家松本清張が描いた
ルポタージュ。表面的な理解では、清張が自ら言うように、
「占領中の不思議な事件は、何もかもアメリカ占領軍の謀略であるという
一律の構成で片付けているような印象」を受ける。
それゆえに批判も受けたようだけれども、清張は「それぞれの
事件を追及してみて、帰納的にそういう結果になったにすぎないのである。」
と答えている。
歴史を学ぶ理由は、「歴史は流転する」からである。
この本で昭和史の一端を知ることが出来るのであるが、
これを現在に当てはめて考えてみるとどうだろうか。
結局、究極的には自国の利益しか考えていないアメリカ。
そのアメリカ一辺倒の外交姿勢の日本。
近隣のアジア諸国、中国や韓国との緊張感の高まり。
日本と中韓の緊張感が高まれば高まるほど極東の軍事力の
必要性が増し、米軍の存在理由がそこに生まれ、
日本が再び軍事大国としての道を歩みだす・・・。
深読みしすぎ?
どうなんだろう。
ちょっと読むのに疲れたけど、考えさせられる1冊でした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
読んだ本
- 感想投稿日 : 2006年1月9日
- 読了日 : 2006年1月9日
- 本棚登録日 : 2006年1月9日
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