アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

  • 早川書房 (1977年3月1日発売)
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舞台は最終世界大戦が起こった後のサンフランシスコ。街は荒廃し、死の灰が降り注いでいる。動物もほとんど死滅してしまい、生きた動物を飼うことがステータスになっている。生きた動物の代わりに機械の動物を飼うことが主流になっている。機械の動物だけでなく、アンドロイドもいる。最新のものはアンドロイド自身がアンドロイドかどうかもわからなくなってしまうくらい精巧にできている。

主人公のリック・デッカードは違法に地球に逃亡してきたアンドロイドを処分することで生計を立てる賞金稼ぎだ。

人間とほとんど見分けがつかないアンドロイドと人間を区別するためのキーワードが「感情移入」だ。「生」に対して感情を持つことができるのが人間だ。しかし、リックはアンドロイドに対しても感情移入してしまっている自分に気づき、悩むようになる。

人間にもアンドロイド的な要素があり、アンドロイドにも人間的な要素がある。完全に区別することはできなくなるかもしれない。

人間とは何かということを考えさせられる小説だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月13日
読了日 : 2022年10月13日
本棚登録日 : 2022年10月13日

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