大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1980年8月27日発売)
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難解であることは間違いない。
「バナナフィッシュ日和」から一連で読みながら、バディがシーモアで、サリンジャーでもあるように思えた。 

死ぬことによって永遠になり、バディの中で、生き続けているのかと。

本来、人は成長しながら産道を何度かくぐり抜けていく、その先に次の自分がいるように思う。自意識が肥大し、抜け出せなくなったシーモア(自分)をサリンジャーは殺したのかもしれない。
くぐり抜けずに留まった自分を自分の中で飼い続けた結果が、「シーモア序章」のように思えた。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年6月21日
読了日 : 2023年6月16日
本棚登録日 : 2023年6月12日

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