読み終わった時に「読み終わった〜」ってなる物語でした
うん、伝わると思う
壮大かつ雄大でありながら非常に緻密さを感じる物語でした
着想から書き終えるまでに10年の歳月を費やしたということでしたが(ずっと煮込み続けたのではないにしても)それも納得の大作でした
物語の根幹となる「病」に関する考え方や、動植物の生態、辺境民族の生活様式、それぞれの民族の宗教観や死生観、政治の有り様などがきちんと積み上がって土台となりしっかりと下支えしているのでちゃんと“世界“が動いているんですよね
自分はファンタジーで最も大切なのはそこだと思っていて、物語の表面には出てこないかもしれない“異世界の地図“がちゃんと描かれていないとちゃんと投影できないんですよね
「ファンタジーとは地図の物語だ」
(なんかかっこいいこと言った!)
そして『鹿の王』は運命の不公平を描いた物語でした
同じ人に生まれながら病にかかる人とかからない人がいる、生まれ落ちた時点で人の貴賤や貧富にどうしようもない差がある、小国に生まれたというだけで正直で慎ましい生活を追われる人がいる
そんな運命の不公平に大切ななにかを奪われたときあるいは奪われそうになったとき
そんなときに進むべき道のひとつが示されていた
ような気がします
そして運命にあがらいながらひとつの家族が生まれる物語でした
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
上橋菜穂子
- 感想投稿日 : 2022年9月11日
- 読了日 : 2022年9月11日
- 本棚登録日 : 2022年9月8日
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コメント 6件
土瓶さんのコメント
2022/09/11
みんみんさんのコメント
2022/09/11
ひまわりめろんさんのコメント
2022/09/12
ひまわりめろんさんのコメント
2022/09/12
aoi-soraさんのコメント
2022/09/15
ひまわりめろんさんのコメント
2022/09/16