毎日暑い日が続きますなぁー
もうやんなっちゃう!
シフト制の仕事なので平日休みになることが多く節約も兼ねて日中は図書館を避暑地として活用しているんですが本を読むペースも落ちてまして
今年はずっと日に1冊だったのがこのところはそこまで読めていません
それから本の題名を使ったあの下らないことこの上ないがごく一部に熱狂的ファンがいる駄洒落もぜんぜん思い浮かびません
いつもは仕事中に考えているんですが(おい)こう暑くてはまさに昼行灯状態でもや〜っとして思考が定まりませんw
『気候灼熱 行灯思考』なんちて
さて『機龍警察 暗黒市場』です
シリーズ3作目の今回はもちろん3機の龍騎兵の搭乗要員でもある3人の傭兵の最後のひとり「〈魔犬〉バーゲスト」を駆るロシアの元警察官ユーリ・オズノフ警部のメイン回です(待ってました!)
本作を読み終えた時にある声が聞こえました
それは作者である月村了衛さんの声だったのか、自分の内なる声だったのか
シリーズ3作目までを順番に読み終えた方なら必ず聞こえる声です
「で、3人の中では誰が1番好きなの?」
もうそうなるでしょうよ!どうしたって!
自分ですか?
自分はもう第一印象から決めてました!もちろん今作の主役ユーリ・オズノブですよ!
「弱さ」を持ってる人なんよ
そして「迷い」の中にいる人なんよ
3人の中で1番人間らしいともいえる人でなんとか正義を実行しようともがくけど果たして自分にその資格があるのかと葛藤し続けているような1巻と2巻
そして今回はその葛藤の原因となるユーリの過去が語られるわけです!
そして前作ライザの回で自分は「対比」がテーマだったのでは?とレビューに書きましたが今回は作中にもあるように「相似」がテーマだったような気がしました
二組のロシア人の幼馴染もそうですが、この「相似」は作中いたるところで語られていたように思います
例えば物語の後半に犯人を追ってロシアから来日するロシアの警察官に特捜班の捜査官たちが自分たちと同じ匂いを感じ共感するところとかね
腐敗と陰謀にまみれる各国の官僚組織であったりね
それにしても今作はかっこいいのよ!
もうなにもかもかっこいいの!
特にお気に入りはなんといっても
ユーリが警察官となり九十一分署捜査分隊第一班に配属されたところ
ここはユーリの父親の薫陶を受けた刑事ダムチェンコが班長をつとめ腐敗をよしとせずに民衆によりそう強い信念を持った刑事たち6人の集まりで通称「最も痩せた犬たち」
この人たちがユーリのことを「息子であり弟」と認め育てあげるんだけどその教えに“痩せ犬の七ヶ条というのがあって先輩たちがユーリに一つずつ教えていくんです
班長ダムチェンコが「一つ、目と耳と鼻を決して塞ぐな」
老刑事ブリコジンが「一つ、尻尾は決して巻くな」
強面の逮捕術の達人ジャギレフが「一つ、相手の目を惹かず、相手から目を逸らすな」
2歳上の身近な目標であり相棒レスニクが「一つ、凍ったヴォルガ川より冷静になれ」
ゴリラのような外見で力と優しさを併せ持つボゴラスが「一つ、自分自身を信じろ」
アメリカ映画が大好きで高い分析力を持つカシーニンが「一つ、見方を変えて違う角度から見ろ」
あれ?七ヶ条に先輩刑事が6人?
そうです最後の一つは自分で見つけるのです!
そしてもちろんユーリは物語の終盤最後の一つに気付くんだけどこれがまたすんばらしいのよ!
ぜひとも自分の目で確かめてほしい!
最高に面白いんだから!
- 感想投稿日 : 2022年7月22日
- 読了日 : 2022年7月21日
- 本棚登録日 : 2022年7月17日
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