特等添乗員αの難事件 V:5 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年2月25日発売)
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本棚登録 : 966
感想 : 82
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特等添乗員シリーズの第五弾。
今までよりも何でもあり感が強くなってきた印象だが、暴力団排除法が施行され苦しくなったリアリティのある姿になっていたのが面白かった。今回は組長のどら息子の嫁探しにつきあわされる周りのヤクザ達がとてもコミカルチックに描かれていて、クオンタム側で起きた女性同士のドロドロなシーンと上手い具合に対比になっていたので辛くならずに読むことが出来た。
今回のテーマは「空気」との闘いであると考えられる。
ヤクザのシンジケートを解散したいが、その他のヤクザに忖度し関係を引きずってしまう鮫吹や、絢奈と那沖の関係性に嫉妬した浜宮が陰湿な嫌がらせをその他の女子社員を使ってアンチな空気感を創り出していった所に、そのような物を打ち砕く絢奈の精神力が素晴らしいと思いました。しかし、それを壊せたのは決して彼女の力だけではなく、那沖を始めとした能登や姉の乃愛の力もあったのかなと思うと今までの話から過ごした時間が凄く有意義な物になっているのかなと感じました。
次の6巻目でこのシリーズは最後になるのでどんな物語が展開されていくのかが楽しみです。

この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
浅倉絢奈:花澤香菜
壱条那沖:小野賢章
能登廈人:銀河万丈
浅倉乃愛:悠木碧
壱条凌真:田中秀幸
壱条真尋:島本須美
泉谷:若本規夫
鮫吹俊学:磯部勉
鮫吹基成:KENN
塚森利行:安原義人
浜宮絵梨子:工藤晴香
藤崎聡美:大橋彩香

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー小説
感想投稿日 : 2022年8月15日
読了日 : 2022年8月15日
本棚登録日 : 2020年8月28日

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