小市民シリーズ第二弾。
前回とは違って、ダークな雰囲気が更に増し2人の本性がより強く出ている回となった。夏休みの中で起きたことを短編形式で起きており、それぞれで面白いのだが最終章で全ての伏線が回収されていくところで鳥肌が立ちました。
まさか、彼女の「狼」的な一面がこんなえげつない形で発揮されているところがとても恐ろしかった。誘拐事件が石和達の仕業ではなく小佐内が彼女に罪を着せるためににわざと自分の誘拐事件を起こさせて、更に罪を格上げさせるという所が彼女の性格のひずみを見せつけてきてとても衝撃的でした。同じく、ゆきが誘拐されたことを自分の謎解き欲求の土台に使おうと葛藤する場面で、ゆきと同じように小市民になりきれていないという面で、常悟朗の本性は結局ゆきと似ているのかなと感じた。そして最終章で真相が明らかになる場面では常悟朗の推理を凌駕する真相を提示したところは、同作者の「愚者のエンドロール」と似たような雰囲気を感じました。最後は常悟朗とゆきが互恵関係を解消するところで終わったがこれからのシリーズでどんな展開がなされるかが楽しみです。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
小鳩常悟朗:福山潤
小佐内ゆき:黒沢ともよ
堂島健吾:日野聡
石和馳美:上坂すみれ
川俣さなえ:本渡楓
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー小説
- 感想投稿日 : 2022年10月9日
- 読了日 : 2022年10月9日
- 本棚登録日 : 2020年8月25日
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