イスラム飲酒紀行 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2014年7月15日発売)
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感想 : 101

※編集中につきまとまりのない文章、悪しからず
○カタール ドーハ
イスラムは「公共」という概念をとても大切にする。
イエメンでは乗合バスが混んでくると、目的地でなくても男性は車をおり、女性のために席を開ける。
我々が抱く「ムスリム」のイメージは現実だと違ったりする。女性は家族・親族の男性なしに外出が出来ないし、買い物一つとっても女性では店の人と交渉ができないので男性は常に女性について店の人とのやりとりや荷物持ちまでやらさせる。女性もあれやこれ男性に頼む。
レストランで男女一緒の入店が認められないことに、日本人としては違和感をもうかもしれないが、女性も男性も、お互いが公共の場で担う役割から解放されるためか、皆伸び伸びするようだ。

○2007.6月
パキスタン、イスラマバード、ラワルピンディ
パキスタンは、アフガニスタンのイスラム過激派タリバンの生まれ育った場所であり、イスラム法に厳格なことでは横綱、大関級である。
「ドクターゴー」の街 医者の診断書があれば飲めるので「この病気の治療にはアルコールが必要だ」と診断してもらう人もいる。
飲酒よりもマリファナなどの薬物をしている者の方が多い(もちろんマリファナも違法)
現地の大学生、「クマと犬の戦い」が非常にウケているらしい。

○アフガニスタン カブール
極度に治安が悪い。アルカイダなどのイスラム過激派グループや、前政権のタリバンがそこかしこでテロを繰り広げている
外観からなんの建物かわからないようになっている(パキスタンの方だったか?)看板も出てないし、大使館とかも分からないようになってる

○チュニジア
酒が手に入りやすい砂漠、というのが筆者の見解。他のイスラム圏に比べて酒は飲みやすい。
肉料理に合うように味は強いけれど、暑いので冷やして飲みたいということでロゼワインが普及(?)している


○イラン2009.2
ホメイニによる革命以来、世界で唯一イスラム法学者が最高権威とされる「神の国」であり、外国人観光客にも黒いスカーフを被らせ、イスラム過激派に武器や金を援助し続けている国。
イランの法律では酒は完全に禁止である。
電話の盗聴も行われている。
スーフィー イスラム神秘主義のこと。
(ペルシャ語だとダルヴィーシュ)
スーフィーは明らかにイスラムの一派だし、スーフィーの詩人であるルーミーは今でもイランで非常に尊敬されている。
しかし革命以降、イラン政府当局が原理化し、スーフィーを異端視するようになったそうだ。当時はスーフィーを本来のイスラムではないと弾圧するようになり、スーフィーからすればホメイニは不人気
人は皆気さくである。
女性は他のイスラム圏に比べて断然社交的
化粧も濃い
本音と建前の激しい国民性

○マレーシア2005.7 クアラルンプール、マラッカ
マレーシアはイスラム圏であり、多民族国家といえど、酒はどこにでもあるわけではない。飲めることには飲めるが、ムスリムであるマレー系のレストランや食堂にはない。
マラッカでも、洋風の外国人向けの店でなら、お酒は飲める。

○トルコ
イスラム圏では最も酒に寛容な国の一つ
それは、建国の英雄にして「国父」であるケマル・アタテュルクが政教分離を国是とした結果
特に国際都市であるイスタンブールではいつでもどこでも酒が飲めると思われているが、
モスクから半径100メートル以内では酒を売っては行けないのような(事実かは不明)ルールもある

イスラム圏では、たとえ飲酒を法的に禁止していない国でも、不特定多数の人が見ている公共の場では控えるべきという部分立が存在するため。オープンエアのカフェやレストランだと提供しないところもある。

ドルーズ派…シーア派の流れを汲んでいるが、酒、豚肉はタブーではなく、ラマダン(断食)もしなく、「コーラン」ではない自前の聖典を持っているらしい。
シリアとレバノンに住んでいる少数派の宗派だ
イスラム世界ではイスラムの一派として認められており、異端視もされていない。
シリアは反米の独裁国家

シリアでは酒を飲むのに苦労はしないが、トルコのようにどこでも飲めるわけではない。酒を出す店はキリスト教徒地区に多いようだ
ダマスカスの全人口の15%はクリスチャンだが、大学生のクリスチャン率は25%らしい。
シリアでは大統領はムスリムでなければならないと憲法に定められている。しかしクリスチャンの立場は決して弱くなく、クリスチャンの方が裕福でムスリムの方が貧困が多い?
ダマスカスでは普通に酒が売られている。酒屋もある

○ソマリランド
ソマリランドは、なぞの未確認国家
イエメン、ソマリランドでは「カート」という特殊な植物性嗜好品を嗜む文化がある
ソマリランドではジンしか基本的にはない。ソマリ人はビールとジンが好きだがビールは輸送が大変だからだそうだ。

○バングラデシュ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年2月11日
読了日 : 2022年1月22日
本棚登録日 : 2021年12月4日

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