森見登美彦さんらしさ全開の作品。こんなパラレルワールドものがかつてあっただろうか、、。話の構成は似通った4つの世界なのに、どの世界もそれぞれ違ったポイントで愛おしくなる。独特の語り口が楽しいから4回も繰り返される本人や小津の紹介も、占いの場面も、飽きずにぐんぐん吸収できてしまう。むしろ魅力が増してくる気がする。本当に不思議な世界観を紡がれる。最後だけは「僕なりの愛ですわい」が小津ではなく、主人公発信だったのもたまらんなあ。「10人中8人が妖怪と見間違う、残り2人は妖怪である」小津、「可能性という言葉を無限定に使ってはいけない。我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である」樋口師匠、「くっついてませんかくっついてませんか」明石さん、酔って顔を舐める羽貫さん、香織さんを慈しむ城ヶ崎氏、並行世界を行き来する蛾の大群ともちぐま、全部が大好きだよ〜
この人の本を読むと毎度京都で学生をしてみたかったなあと思う。
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- 感想投稿日 : 2021年6月9日
- 読了日 : 2021年6月9日
- 本棚登録日 : 2021年6月9日
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