〈本〉をテーマにした短編集
以前、NHKのEテレ番組で個人の本棚を紹介する番組に角田光代さんが出演されていた。自宅の広々した本棚を公開し、その前に座ってお話しされていた中で、以前別れた彼の本と自分の本を分けるのが大変だったと。
今の彼と生活し始める時にそれぞれの本を分けて並べようと提案し、なぜ?と言われたと言うお話をされていた。
4編目の〈彼と私の本棚〉の中に、一緒に暮らしていた人と別れ、本棚の本を分けている場面があり、あのテレビでのお話を思い出した。
5編目の〈不幸の種〉は若い頃出会った本が理解出来ず、面白くないと思っていたら、歳を重ねる事で違った読み方が出来たり理解できるようになった。
それは、自分が成長し続けているということか。
どちらかと言えば、私は長編物が好きだけど、
短編 イイなぁー、今更思った。
著者あとがきエッセイ より
本の一番のおもしろさというのは、その作品世界に入る、それに尽きる、と私は思っている。一回本の世界に引っ張り込まれる興奮を感じてしまった人間は、一生本を読み続けると思う。…〈中略〉
世の中には私の五百倍 一千倍の本を読んでいる人がいて、そういう人に追いつこうとしても無駄である。そんな追いかけっこをするくらいなら、知識なんか無くたっていい。私を呼ぶ本を一冊づつ読んでいった方がいい。
そう、本は人を呼ぶのだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年10月2日
- 読了日 : 2023年10月2日
- 本棚登録日 : 2023年10月2日
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