終末のフール (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2009年6月26日発売)
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本棚登録 : 34814
感想 : 2498
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私の中で、人生の中で何度も繰り返して読む本の中の一冊です。8つのオムニバスによる独立した物語ながら、物語の重なりがあり、読書の楽しくなる伊坂ワールド全開です。

地球に惑星が衝突するという壮大過ぎる設定がちょっと、、、と思いながらも、死を強烈に意識することで日常の生が輝いていきます。地球をどうするとかのテーマでなく、地球滅亡を目の前にしても日常を精一杯いきている人々の明るさが大好きです。

(個人的に好きな話)
◾️太陽のシール
障害のある子どもをもつ親の生き方がたまらないです。隕石の接近で親の不安が消える。親になってから読むと涙が止まりません。
◾️鋼鉄のウール
実直に、愚直に生きるキックボクサーのお話。地球が滅ぼうが、できることはローキックと左フックだけの生き方。痺れます。
◾️深海のポール
生きられる限り、みっともなくても生き続ける人々の姿。日常を精一杯生きる姿に感動です。

生きることが力強くなる一冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月3日
読了日 : 2023年11月24日
本棚登録日 : 2024年1月3日

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