一般的な日本人であれば、どうしても西欧からの視点で、世界の物事を見てしまうが、この本は、イスラームからの視点で現状の国際状況をみるとどうなるか、非常に分かりやすく、かつ説得力のある内容で解説してくれる本。ナインイレブンのこともあり、どうしてもイスラム教徒を偏見視してしまいがちですが、彼らも我々と同じノーマルな人だということが、よくわかりました。
著者自身、トルコ語を話すということもあり、アフガニスタンのカルザイ大統領含め、イスラム圏の有力者たちの直接インタビューの経験が豊富で、彼らから見たアラブの春、シリア内戦、アフガン問題やトルコ人によるアルメニア人大量虐殺事件、ムスリムのヨーロッパ移民たちの見方なども非常に興味深い内容。
また、近代国家の概念、民族という概念の経緯等、知識人としての基本的素養を身につけていることもあり、イスラームからの主観に陥ることなく、冷静に世界情勢をとらえている所も好感が持てます。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
宗教
- 感想投稿日 : 2012年10月7日
- 読了日 : 2012年10月7日
- 本棚登録日 : 2012年10月7日
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