偽書とはインチキな本のことではない。むしろ神官・僧侶以外にも篤い宗教心が拡大する中で、「人はだれでも一定の作法を踏むことによって冥界と交流でき」るという「この観念こそが、中世の偽書を生み出す根源だった」偽書を偽物として退けるだけでは、それを生み出すに至った社会的状況、あるいは欲望について何一つ理解は進まない。偽書を通じて浮かび上がる歴史が確としてあることを実感できる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2014年4月4日
- 読了日 : 2014年4月4日
- 本棚登録日 : 2014年4月4日
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