2011年12月21日初版 書き下ろし
中山七里氏を勝手に30代後半女性、と思い込んでいたのだけれど、男性と知り驚愕。“さようならドビュッシー” とか “いつまでもショパン” とかの甘党なタイトルは避けて とりあえず これを読みました。
冒頭、御子柴弁護士の死体遺棄シーン。辣腕コンビの渡部&古手川 両刑事が登場し、別の案件、木材工場を営む東條彰一殺人裁判が出て来る。
御子柴に目をつける渡部、そこから御子柴の過去が語られていく.....
残忍な描写が多く、ベートーベンの“熱情”の捩じ込みにも無理があり、最後の呼吸器の件も、いやそれ、いくらなんでも警察調べるでしょ?で、いささか派手さが鼻につく。 上告文とか判決理由を読まされるのも眠い〜
ところで、自分は、作家が主人公に強い愛着を抱いている作品に惹かれるのだが、冒頭、中山氏は御子柴をテキトーにベンリに作り出しただけではないのか?という印象であった。
それは、読み進めるに連れ変化していく。
サレジオ事件の犯人をモデルにした御子柴にさまざまなものが詰まっている。中山氏は執筆にあたり資料もたいして読まないらしいが、この作品には一冊だけ参考文献があげられている。資料読みは確実に作品の深さに影響するということかと思った。
いずれにせよ、すべての家庭が豊穣な精神がやどる場であってほしいと祈りたくなる。
※本書とは関係ないけれど、中山氏が男性だと知ったサイト。中身も面白かったのでリンク張っとく↓
http://ebookstore.sony.jp/stc/special/author/nakayama/
- 感想投稿日 : 2014年2月5日
- 読了日 : 2014年2月5日
- 本棚登録日 : 2014年2月5日
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