「赤道上に、戦後最大規模の鼓笛隊が発生した。」の、一文から引き込まれる。台風の如く日本に上陸する「鼓笛隊の襲来」
いなくなったが思い出せない彼の喪失感を抱えたまま、立ち寄ったギャラリーで見かけたのは、自分の記憶にある"モノ"たちだった。「彼女の痕跡展」
覆面をつけて生活をして良い制度のある世界「覆面社員」
本物の象が、リタイア後に公園の遊具として生きる世界
「象さんすべり台のある街」
その他「突起型選択装置(ボタン)」
「「欠陥」住宅」「遠距離・恋愛」
「校庭」「同じ夜空を見上げて」
不思議な世界で話が進むため、温かい話のまま終わるのか、怖い話として終わるのかどちらに転ぶかわからない感覚がソワソワして楽しめました。
表題作と、「失われた町」に通ずる書き下ろしが、良かったです。
「消失」「痕跡、記憶」「視点」「怪異・幻覚」「ルール」「別の街が栄えて置き去りにされた街」などキーワードが並ぶ。
自然災害よりも違和感が残る形で消えてしまう人が知人や家族にいた時どう感じるのだろうか?しばらく会っていない人生きているのか死んでいるのかわからない人と何が違うのか?考える種みたいなものが
ポツポツと挟まれてる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年2月13日
- 読了日 : 2021年2月13日
- 本棚登録日 : 2014年4月27日
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