私が伊坂幸太郎さんの作品にハマったきっかけは、当時発売されたばかりの「重力ピエロ」ではなく
「ラッシュライフ」でした。
登場人物が複雑に絡む仕掛けも面白いのですが、何より「どんな立ち位置の人でも同等に機会と危機が訪れて回り続ける」ことに救いを感じました。
その作品に登場した空き巣である
「黒澤」が再登場する話
いつも冷静で、何事にも動じず、
ある場所から別の場所に突然現れる(様に見える)、被害者に不安を与えぬ様置き手紙(盗んだ品の明細)を残す律儀な泥棒
ややズレたようで「まぁそうだけど」と言いたくなるようなことを言う男
(さらに人間の常識から外れた言動が濃くなると、伊坂作品の「死神」である千葉に似てくるかも?二人は共演したこともあったはず)
誘拐を専門にしている犯罪グループの起こした事件に巻き込まれます。
警察、立て篭りの舞台となった家の住人、犯罪グループの担当者である兎田や
黒澤の同業者など、今回も様々な人が事件を中心に星座のように繋がり楽しませてもらいました。
黒澤が主役ってことは「こう言う事」
起こるよな〜って…まんまとやられた。
「この物語は変な話」と、
物語を進行する"語り手"がいるのは
「レ・ミゼラブル」がモチーフとなっています。
最初は「ラッシュライフよりも一つの事件を中心に繋がりが明確な人物配置なのに、こんな説明がいるのか!?」と訝しんでましたが、徐々に馴染んで来ました。
この語り手って「オリオン座の視点?」
なので
五年くらいかけて「レミゼ」を読み終わってから読むことをお勧めします!(※読めばわかります。)
久しぶりにじっくり時間を作れる日が続き、2日で読み終えてしまった。
楽しくて嬉しいやら、寂しいやら
解説は…ちょっと説明しすぎのような…
読まなくてもいいかな…
- 感想投稿日 : 2020年8月16日
- 読了日 : 2020年8月16日
- 本棚登録日 : 2020年7月9日
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