十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2007年10月16日発売)
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本棚登録 : 3607
感想 : 313
5

「十角館の殺人」
多くの人が好きな作品に挙げる今作
ハードルが高くなっていたのだが「紅蓮館の殺人」を読んでから、自分の中で推理モノブームが巻き起こっており「占星術殺人事件」を読みさらに加熱し、誘惑に勝てず…読む。

凄惨な事件の起きた「角島」
その島にある「十角館」にて、数日間の冒険気分で生活することになった大学のミステリサークルのメンバー
だが…その島には事件を起こした犯人の霊が出るという噂が…

こういう物語のお決まりである「一人ずつ死んでいく」単調な展開が続くかも…と思いきや…

島の中(現サークルのメンバーと殺人鬼またはメンバーの中の誰か)に加えて

島の外(元サークルメンバーの二人と探偵である寺の三男坊)
にいる人物達が登場する。
「探偵」である飄々とした男、何故か懐かしく感じる名前なのだが、それは置いといて
この「島の外」の探偵達は「島で起きた過去の事件」と「サークルの飲み会で事故により亡くなった女性」について推理を進める。

「島の中」にいるメンバーは徐々に追い詰められていくため「このままでは、探偵達が推理をしようの無い、全ての証拠が消えてしまうのではないか?」という緊迫感があり、引き込まれるように読むのが止まらなかった。

動機は明確なのに、誰なのかがわからず…負けました。

「仕掛け」っぽい要素は、目につくのに真相がわからないもどかしさ…でも、その分明かされた時の衝撃が大きかった。

「推理にのめり込む探偵達」に被害者の気持ちや、他人の私情に入り込む権利(警察ではないので)についてモリス君が指摘してる。この辺りちょうどそのように感じていたので唸ってしまった。

コレが噂の「館シリーズ」の一作目ですか…「占星術殺人事件」の時も思いましたけど、一作目が強力過ぎませんか?
楽しませていただきました!

朝読み終えたのですが、余韻が…
ラストシーンが良かった。

島田君が子供達の釣りを
邪魔してたのが謎…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年10月9日
読了日 : 2020年10月9日
本棚登録日 : 2020年9月4日

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