安倍三代

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2017年1月20日発売)
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3

作者青木氏は、サンデーモーニングのコメンティーター。

あの暗殺事件の記憶も新しい安倍晋三と

父、安倍晋太郎、そして晋太郎が敬愛してやまない祖父、安倍寛。
この3代にわたる人物リポルタージュ。

暗殺事件後一般人が口に出していう印象「感じがよかった、フランクだった」

ニュースで出ていたが、私は何か腑に落ちなかった。



その祖父「安倍寛」

平和を希求し、国民の生活を問題視していた

選挙活動時、家には官憲が何人もいて、いつもプレッシャーを感じていた

そんな父を尊敬し、同じように平和を希求し、

毎日新聞に務めた経験からグローバルな視点を持ち

人種を超えて誰からも話が聞ける「安倍寛」の一人息子晋太郎。

その逸話は、青木氏も興奮を覚えるほど魅力ある人物で

人々が手弁当で応援したくなる人物だった。



安倍晋三は多くの人々から聞き取りをしても

子供時代から政界に入るまで、政治的指向もはっきりせず、

なおさらそんな発言は皆無。

成績も全て可もなく不可もなくで過ごす。

人々の印象も影が薄く素直ないい子どまり。



3期にわたり、国民を戦争の危険に向かわせている主張は後天的に、

付き合う人々によって培われたものであったという。

国会答弁に関してもど素人の私がみても、

ただ時間を浪費し論点の軸を遠回りに無関係な文章をつらつらと述べるあの姿。

信念や相手を敬う心もない空虚な言葉のつらなり。

故郷山口に帰省する父親や母親との接点は少なく、

周りの大人にはただ素直でいい子の印象。
祖父岸信介には猫可愛がりされて育つ。
そして、東大、早慶などの入学は、はなから諦め、

成蹊で小学から大学まで過ごし、

政治、憲法の第一人者を持つ成蹊大の教授陣は、ほぼ印象がない。

それどころか「何を勉強したのか?私たちの言葉は届かなかった」と嘆いている。

こんな、政治家が長期政権を持つ日本の政治の仕組みは

きっと間違っているのだろう。
国民は既に危険な道程のトロッコに乗せられているのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年8月10日
読了日 : 2022年8月10日
本棚登録日 : 2022年8月10日

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