しょっぱいドライブ (文春文庫 た 58-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2006年1月11日発売)
2.82
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本棚登録 : 368
感想 : 60
4

読書開始日:2021年11月27日
読書終了日:2021年11月27日
所感
【しょっぱいドライブ】
面白い作品だった。
どうしても「わたし」を好きになることはできない。
それは、自分が男で、さらに九十九さんと似たようなタイプだからだ。
全ての言動、行動に自信が無いが、自分の中だけで対処する術を身につけている。
全て背負い込む覚悟は持っている。
わたしは気の弱さに付け込んだ。
完全な優良物件のキープだ。
部屋探しをしているときと似ている。
表現がかなり上手い。
既視感がある。
それは自分の態度だったか、過去の女性の態度だったか。
目を背けたくなるほど体験したことがある作品だった。
【富士額】
ひきこもってしまった中学生の女の子の話し。
この女の子はつきつめればゆっくりしたかっただけだった。
お相撲さんのペースがこの子にはあっていた。別れの場面はお相撲さんがペースを乱し、女の子は正気にもどった。
お相撲さんから送られてきただるまのぬいぐるみで、お相撲さんの腕枕を思い出す。
一つの思い出
【タンポポと流星】
毬子のような人間は確かに存在する。
プライドが高いが精神的に弱いことを心のどこかでわかっているため、自分よりもさらに弱い人間を捕まえ威張る。
威張られた人間は、衰弱し、次第に判断が出来なくなる。
決死の覚悟で上京を1人で決めるも、委ね切っていた判断力は戻らず、会社でも男にもいいように使われてしまう。
結局最後までうだつの上がらない女だったが、毬子との適切な距離感を見つけた。
木崎のような男には反吐がでる

あれは告白のつもりだったのだろうか。私としては頼んでもいないのに聞かされ、重たかった
すれ違うたび、なにかひとつ、彼は楽しいことをしかけてきた。
花言葉はね、はかない喜び
このふたりはわたしをネタにして、引き合っているのだと思う。私抜きにしたいのに、まだ言い出せない仲だ。


【しょっぱいドライブ】
いいひとって結局ひとがいいってことでしかないんじゃないか
しゃべっていないと間が持たなかったからだ。でもしゃべることはお互いの名前しかなかった。
ああ役に立ったんだな
九十九さんはもくもくと一人の世界にいた。あまりにも自分ことだけすぎていた。
としよりにはとしよりの、秘密があるのだろう。全然おかしくないから、堂々としていたらいいじゃない
まずは博識ぶらない
遊さんはわたしの貞操なんてどうでもいい
返し切ったところで、この罪悪感は消えないだろう。もう、ありがとうございました、ではなく、ごめんなさい、許してください
夜のほう、からっきしだめで
釣り人=遊さん ふぐ=わたし
わたしがこのひとのそばにいたいのは、結局、先がみえているぶんやりやすいからなんだろう
一から、始める。ああなんて新鮮な響きだろう
九十九さんは、わたしの顔色ばかり見ている。だから車の中でわたしはまた!いいかげんなことをいって
血生臭さなんか、まるで縁のないままここまできたのだろう
こう言う暮らしには目が眩む
右半分ごっそりない
くるくる思考を変えて遊んでいる
【富士額】
どこにでもいるんだなとイヅミは思った。ずっと笑ってなきゃいけないって雰囲気を強制する人
【タンポポと流星】
あれは告白のつもりだったのだろうか。私としては頼んでもいないのに聞かされ、重たかった
すれ違うたび、なにかひとつ、彼は楽しいことをしかけてきた。
花言葉はね、はかない喜び
このふたりはわたしをネタにして、引き合っているのだと思う。私抜きにしたいのに、まだ言い出せない仲だ。

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感想投稿日 : 2021年11月28日
本棚登録日 : 2021年11月28日

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