獄門島 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (1971年3月30日発売)
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本棚登録 : 3916
感想 : 362
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ちょうど時期が夏だったので。
そしてせっかくだから(世間的には有名だけど)話も犯人も知らないやつを。金田一耕助シリーズは父親も青春時代に夢中になっていたと聞いていたけど、莫大な量だからと敬遠していた。(あとはどことなく気味が悪かったから…)

推理物だから途中様々な角度から事件を整理したり犯行動機を推察したりと、読者もやむを得ず考えさせられる場面が多い。そのためか読後はえらいカロリーを消費したかのように疲れ切っていた。

まっさらな気持ちで島へと踏み出すと、早速入口からひんやりしていた。舞台の解説だってのに心が落ち着かず…とソワソワしていたが、それも束の間。見えざる何かに手を引かれるように気がつけば話の奥へと踏み込んでいた。

大抵の推理物でも言えるけど、得体の知れない怪談やオカルトに委ねることなく怪奇は人間が作り出すことをよく証明できている。
今回はお芝居にちなんだトリックやセリフが多く、凄惨な事件の数々に冷や汗をかきながらも案外楽しめた。

早苗さんのバックグラウンドについてもーちょい情報が欲しかったけれど、必要以上に首を突っ込まず事が終われば風と共に去るのが金田一耕助なのかなと納得するようにした。

次はいつどこでお会いできるのやら。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年10月21日
読了日 : 2021年10月21日
本棚登録日 : 2021年10月21日

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