恋のゴンドラ

著者 :
  • 実業之日本社 (2016年11月1日発売)
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感想 : 404
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短編集かと思ったら、主人公が変わる連作小説でした。
スキー場が舞台なので、冬に読みたい。というか、ボードとスキーやりたくなる

「ゴンドラ」から、婚約者がいるのに別の女の子とお泊まりデートをする浮気男が、たまたまゴンドラで婚約していた女性と乗り合わせる。浮気男の思考回路が最低すぎる。謎のハラハラ感を味わえる。
そこから男女5人組のストーリーになり、「プロポーズ作戦」では、あんまりな展開に空いた口が塞がらなくなる。
もちろんうまくいくカップルも登場するが、印象的なのはやっぱり日田くん。
読み終わってからも、日田くんが少しでも幸せになってほしいと祈らずにいられない。

彼らの恋の行方に目が離せないのは、ラストまで変わらず、新感覚の恋愛小説でした。
基本的にコミカルなので、浮気男の心情や、捨てられた男女の惨めさなんかも重くならずに読める。

恋愛なんだから惨めなときも、プライドが傷つくことも、逃げられない状況のときもある。
そんな恋のみっともないところもいやらしくない感じで描いていて楽しい作品だった。
失恋したり、アプローチに失敗したり、そんな苦い経験を持っている人には、黒歴史がくすぶって辛いかもしれないが…。

どの話もどんでん返し的要素があり、さくさく読めるのが魅力。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年5月4日
読了日 : 2022年5月4日
本棚登録日 : 2022年5月4日

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