バッテリー (4) (角川文庫)

  • KADOKAWA/角川書店 (2005年12月22日発売)
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感想 : 330
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この物語を読み始めて気がついたら巧には絶対的な力があると思い込んでいた、豪や門脇と同じように。門脇が豪快に三振したにも関わらず、瑞垣には打てるのだ。そもそも絶対的な力、誰にも打たれない球ってそうそうないような気がする。誰かにとってとても苦手なことが、他の人にとっては得意なことだたったりする。誰かと比べて何かが秀でている。そういういことじゃないかな。沢口や東谷、吉貞は巧が豪速球を投げれることしか取り柄がないことを知っている。それ以外はまるでダメなのだ。でもこの物語はそんな偏った天才ピッチャー巧を簡単に十三歳の少年にはさせない。楽しい野球を知らない巧は伝説的な選手になるか、ごく平凡な人になるか、どっちかだ。瑞垣って、あさのあつこ自身じゃないかなって思う。自分が描く主人公の力を試すように。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年3月20日
読了日 : 2022年3月19日
本棚登録日 : 2022年3月13日

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