2017年5月17日、再読。前回同様、一気に読み終える。
前回は、主人公ユメの想い人である漱太郎の二面性に魅了されたのと、ユメの想いの強さに引き込まれ、ラストシーンの描写の美しさに衝撃を受けた、という感想だった。今回は、漱太郎の性格とラストを知っているだけに、文章をなぞるだけでなくユメの心情に寄り添い読む余裕があった。途中、彼の詩的すぎる語りが若干うっとうしく感じられたりもしたが、ラストを考えるとあの語りは効をなしていた。伏線が何度も敷かれており、脇役と思えた登場人物(路美など)が重要な役割を果たしてラストに向かっていく。ユメがラストであのような行動に出るまでを丁寧に読み取れた。本を閉じた時、静かに涙があふれてきた。その涙がどういう感情なのかよくわからないが、それこそが「どうして?だって漱太郎だよ?」と圭子がユメに問うた答えかもしれない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年5月17日
- 読了日 : 2013年2月23日
- 本棚登録日 : 2013年2月23日
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