別れ話を切り出された恋人を無理に引き止め結婚、産まれた子をチャイルドモデルにした母。順風満帆で人気を集めた娘「ゆーちゃん」。
こういったアイドルの話は、だいたいのラストは予想がつくものの(そして実際に予想通りの終わり方ではあったものの)芸能界で生きる少女がどう変化していくのか気になり、最後のページまで一気読みでした。さらに「ゆーちゃん」のその後も読みたくなるくらい、全く飽きない展開でした。
冒頭は、無理に男をつかまえる計算高い女(ゆーちゃんの母親)の語りであるため、ちょっといらつく女、と思ったけど、すぐにゆーちゃんの物語となり、目が離せなくなった。
芸能界のことや、芸能人の心情が事細かに描かれていて、すごいなと思った。
中学時代のゆーちゃんの男友達、多摩のほのぼの感が唯一の癒しでした。
あと文章がきれい。「インストール」や「蹴りたい背中」よりも、さらに洗練されている感じを受けました。芥川賞受賞後の第一作、まだ22歳か23歳くらいでこれだけの内容を書けるとは…。綿矢さんとは同じ歳なので、いつもながら精神年齢に雲泥の差を感じました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年10月13日
- 読了日 : 2019年10月13日
- 本棚登録日 : 2015年12月12日
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